よくあるご質問

医療法人 山内循環器クリニック よくあるご質問

Q. 下肢静脈瘤はどうしてできるのでしょうか。どんな症状があるのでしょうか。

最近よくテレビ番組でも取り上げられている下肢静脈瘤とは一体どうしてできるのでしょうか。 下肢静脈瘤の治療には三千年以上の歴史があるとされています。 紀元前6世紀頃に建てられたギリシャのアスクレピオス神殿には下肢静脈瘤を抱えた兵士のレリーフが奉納版に描かれておりこの頃より既に世界共通の疾患であったことが伺えます。通常下肢の静脈には深い所をにある深部静脈と浅い所にある伏在静脈があり、それぞれ逆流を防止している静脈弁が片足に約20個位づつ存在しています。 つまり2本足で立って生活している人間では血液は重力で下方へ戻ろうとします。 静脈弁はハの字型をしているため、上向きに血液が流れても下方へは逆流しないしくみになっています。伏在静脈の弁が壊れると血液は逆流し静脈は拡張し内圧が高くなり静脈の壁が弱い人では静脈瘤ができてくるのです。 静脈瘤のできやすい危険因子としては、母親や姉妹に静脈瘤がある女性にできやすく、妊娠・分娩をきっかけに静脈瘤ができ、立ち仕事に従事したり、年齢がすすむにつれて病状が進行するといえます。 多い職種としては美容師・理容師・教師・調理師・店員などがあげられます。また急激に立ち止まるようなスポーツ例えばバドミントン・バスケット・バレーボール・野球などをされた方にも出現しやすいようです。

Q. 下肢静脈瘤ができたらどんなことに気をつけていけばいいのでしょうか。 どんな治療法があるのでしょうか。
静脈瘤のある患者さんでは、症状を軽減させ、悪化させないために次のような日常生活で守ってほしい点があります。

・長時間の立位を避ける。
・弾性ストッキングの着用。
・就寝時の下肢挙上。
・患肢の清潔・保護。
・妊娠時の注意。
・正座や和式トイレを避ける。

などといった点ですが立ち仕事の人は1時間に5~10分間は足を高くして休息するとよいでしょう。 休息のとりにくい人は、足踏みをしたり、歩きまわって足の筋肉を使うと静脈還流がよくなります。 静脈瘤の治療法として現在一般的に行われているのは、弾性ストッキング・ストリッピング手術・ 硬化療法の3つです。弾性ストッキングは、血液が足に貯留しないように、静脈瘤を強く圧迫する ものです。
これをはくだけで静脈還流が改善され足が軽くなりますが、静脈瘤が治ったわけではありません。 静脈瘤に対する根治術はやはりストリッピング手術です。手術は小さな皮膚切開で静脈瘤化した 伏在静脈を引き抜く手術で確実に治療できます。

硬化療法は静脈瘤内に直接硬化剤を注射して静脈を癒着させ内腔をなくしてしまう治療法ですが、 大きな静脈瘤には適していません。 その他に侵襲の少ない新しい治療法としてレーザーやラジオ波を用いて伏在静脈を血管内から 焼灼する方法が開発されています。 最近、保険適応がおりました。
Q. 下肢静脈瘤の治療が日帰りでできるのでしょうか。
最近下肢静脈瘤の手術を外来で行いその日のうちに自宅へ帰ることができるようになっています。 外来日帰り手術が可能になったのには、いくつかの要素があげられます。 それは診断方法・麻酔方法・静脈瘤の抜去方法・止血方法の改良です。
まず立位での超音波による静脈の逆流(弁不全)の範囲の正確な診断と空気容積脈波図による逆流程度の評価が可能になったこと。 さらに手術の際の疼痛対策すなわち麻酔法の進歩です
。大腿神経ブロックにより2時間程の下肢全体の無痛野が得られ、大量低濃度浸潤局所麻酔と内翻ストリッピング法によりさらに出血も少なく疼痛も軽減できるようになりました。
正確な診断により術創も5mm以下の小さな傷ですみ、ダーマボンドで被覆することにより翌日からの入浴も可です。この下肢静脈瘤の外来日帰り手術はもちろん保険診療です。
Q. なんともないのに、3.5cm径の腹部大動脈瘤があると診断され不安なのですが、今後どうしたら良いのでしょうか?
腹部大動脈瘤といえば、司馬遼太郎氏や淀川長治氏などの著名人が瘤破裂のために亡くなられた病気で有名です。
腹部大動脈瘤があると診断されただけで不安になる気持ちはわかります。ただ無症状で瘤径が4cm未満の動脈硬化性の腹部大動脈瘤の年間破裂率はほぼ0%に近いとされ、4cmを超えると急に破裂率が高くなってくるとされています。
瘤の拡大に伴う症状として腰痛・腹痛・圧迫感などがあります。しかし自覚症状無く経過することが多いので、定期的な専門医による診察や簡単かつ無侵襲に瘤径の評価のできる超音波検査やCT検査を受けることが重要です。
瘤径が拡大してくると手術が主な治療ですが、手術の危険因子とされている虚血性心疾患・腎機能障害・呼吸機能障害といったことも普段からチェックしておくことが大事になってくるといえます。
Q. 抗血栓治療薬というのはどんな病気に使用され、服用時にはどんな注意が必要ですか?
最近、心筋梗塞・脳梗塞・肺梗塞などの血栓閉塞性疾患が急増しています。
血栓形成を抑制する高血栓治療薬には凝固系の抑制を目的とした抗凝血薬(ワーファリン)と、血小板の粘着、凝集を阻止する抗血小板薬が用いられています。通常、血流の早い動脈系では抗血小板薬、血流の遅い静脈系や心腔内では、抗凝血薬が有効とされてきましたが、最近では、併用療法も施行されています。抗血栓治療は各種心臓手術後・血管手術後・心房細動などの不整脈・血管内ステント留置術・拡張型心筋症などでも使用されています。 抜歯や手術といった処置が必要となる場合は、出血が問題となるため、薬剤によって休薬の時期や期間が異なります。
また、ワーファリンは納豆やクロレラでは効果がなくなり、抗生剤とでは逆に効き過ぎるなど、特殊な問題もあります。従って、必ず事前に専門医と相談することが重要といえます。
Q. 病院内で、携帯電話の使用が制限されていますが、メールはしても良いのでしょうか?
答えはダメです。携帯電話や、自動車電話などから発生する電波は心臓ペースメーカーや植え込み型如才同期・人工呼吸器の誤作動、輸液ポンプの停止、心電図のノイズなどの原因となることがあり、いずれも生命に危機をきたします。
携帯電話の通話はもちろんですが、電子メールだけでなく、マナーモードやデータ通信だけでも電波は発せられています。電源を切ることだけがその予防策です。通常、携帯電話はペースメーカーから22cm以上離すこと、他の医療機器からは1m以上はなすことが推奨されています。
昨年度の推計では、毎年4万台を超えるペースで心臓ペースメーカーは埋め込まれており、日本全国では実に40万人にペースメーカーが埋め込まれているとされています。少なくとも、病院内の集中治療室・循環器病棟内は勿論のこと、満員の電車・バス内では電源を切る必要があるといえます。
Q. 心房細動でワルファリン服用中ですが、抜歯の際どうしたら良いのでしょうか?
心房細動の方に血栓塞栓症(脳塞栓症)の治療及びその予防目的で抗凝固薬ワルファリンが使用されています。
心房細動の患者さんは人口の高齢化に伴い最近増加傾向にあり、抜歯・手術の際のワルファリンの服用をどうするべきかよく相談を受けます。米国の報告では

①抜歯のためにワルファリンを中断した場合1%に脳梗塞が発生し、ほとんどが致命的であった。
②ワルファリンを継続したために出血がコントロールできなくなった頻度は0.31%。

日本でも最近は圧迫止血が可能な抜歯処置の場合、ワルファリン内服継続下での施行が望ましいとするガイドラインが示されています。まずは歯科医の先生と循環器の先生方との相談の上での施行をお勧めします。
Q. 命にかかわる胸の痛みとはどんなものですか?
直接命に影響のない胸痛には、助間神経痛や助軟骨の炎症や筋肉痛があり、これらは押さえたり、体の向きを変えると痛みが強くなったり、治まったりするのが特徴的です。
これに対し、遅れれば命にかかわる胸痛には急性心筋梗塞・大動脈解離・破裂性大動脈瘤。肺塞栓症・ウイルス性心筋炎などがあげられます。なにかをきっかけとして突然発症することが多く、典型的な急性心筋梗塞の場合は、前胸部から咽頭へかけての締めつけられるような痛みで多くの場合息苦しさを伴います。
大動脈解離の場合は胸痛だけでなく、背部痛・腹痛で発症することもあります。破裂性大動脈瘤・肺塞栓症では、急激に血圧が低下し、ショックとなり意識も低下します。ウイルス性心筋炎では、発熱を伴います。いずれも早急な対処が必要となるため、常日頃から行くべき救急病院や、相談できる医師をもっておくことが大事です。
Q. 下肢静脈瘤の日帰り手術はどのようにしてできるのですか。わかり やすく教えて下さい。
肢静脈瘤治療には圧迫療法・高位結紮術・硬化療法・ストリッピング(抜去)手術があります。
いずれも日帰り治療が可能ですが、最近では、弁不全を有する伏在静脈のストリッピング手術を日帰りで行う施設が多数出現しています。従来入院が必要であったストリッピング手術が日帰り手術として行えるようになった要因には、麻酔方法と抜去方法の改良があげられます。
麻酔は大腿神経に対する伝達麻酔(大腿神経ブロック)と大量低濃度浸潤局所麻酔法を組み合わせることにより、鎮痛剤の投与がほとんど不要になり、約30分の安静の後歩行帰宅可能です。また抜去方法は従来の抜去用ワイヤーと違う特殊な内翻用ストリッパーを用いれば5mm以下の小さな術創がわずか3~4箇所で皮下組織のダメージも少ない日帰り手術が可能となります。
Q. 足の静脈瘤は全て手術で治るのでしょうか。
通常下肢静脈瘤に最も多く行われる手術は、静脈の弁不全を有する伏在(表在の)静脈の高位結紮術と静脈瘤抜去手術です。
これらの術式が適応されるのは下肢の深部静脈が血栓などで閉塞していないことや、深部静脈の弁不全(逆流)がないことが条件とされています。つまり、表在の伏在静脈の弁不全による静脈瘤(一次性静脈瘤といいます)のみが手術適応となりますが、これらの鑑別は下肢の超音波検査で容易に診断がつけられます。
深部静脈に問題があってできる静脈瘤(二次性静脈瘤)も全く治療法がないわけではなく専門医による治療や相談ができますので、受診をお勧めします。
Q. 心不全に注意するように言われたのですがどういうことでしょう?
心不全とは心臓のポンプの働きが低下した状態で、心筋梗塞や弁膜症・高血圧・心筋症など、いろんな心臓の病気から起こります。治療で一度症状が軽減しても、ふたたび悪化して入院治療を要することもあります。
原因である心臓病が進行している場合もありますが、薬の飲み忘れや塩分・水分の取りすぎ、過労やストレスによっても悪化します。また高血圧・不整脈・感染症なども心不全を増悪させる誘因となります。
患者さん自身が普段から塩分・水分の取りすぎや薬の飲み忘れ、体の動かしすぎなどしないように、心不全を悪化させるきっかけを認識し日常生活の中で注意することが重要です。
Q. 血栓による血管の閉塞で起こる心筋梗塞・脳梗塞・肺梗塞はそれぞれ違いがあるのでしょうか?
まず血栓(血の塊)には動脈にできやすい白色血栓と静脈にできやすい赤色血栓と混合血栓があります。
白色血栓とは高血圧・糖尿病・高脂血症に起因する動脈硬化で血管壁に傷がつくと血小板が修復のために集まり、それにフィブリンがからみついてできています。大きくなって血流が途絶すると心筋梗塞を起こします。
赤色血栓とは長時間の血流のうっ滞や脱水で血液の粘度が上がると血流の遅い静脈や心腔内ではフィブリンに赤血球が取り込まれてできる血栓で下肢の静脈にできた赤色血栓が肺に飛んでいけば肺梗塞が起こります。
また心房細動で左心房内にできた血栓や人工弁などに付着した血栓が剥がれて血流にのって脳の血管をつまらせると、脳梗塞が起こります。それぞれ血栓の種類・でき方に応じて血栓閉塞性疾患を治療・予防する薬剤や治療材料が開発されてきています。
Q. 最近階段を昇るだけで息上がりがするので病院へ行ったら、弁膜症と言われました。 どういうことでしょう。
人の心臓には僧房弁・大動脈弁・三尖弁・肺動脈弁の4つあり、それぞれの弁が完全に閉じなくなるのを閉鎖不全症、十分に開かなくなるのを狭窄症と言います。これら弁膜症の主な原因は以前はリウマチ性が殆どでしたが、最近は加齢にともなう弁変性疾患が増加してきています。
弁膜症は代償機構が働いている初期は自覚症状が出にくく、患者さんも無意識に体動制限をしていることがあります。
しかしこの代償機構に限界がくると、うっ血性心不全による症状が出現してきます。

僅かの体動で息切れや呼吸困難の症状が出現するということは、左心不全による肺のうっ血が起こっていることが考えられ、増房弁や大動脈弁の弁膜症が疑われます。弁膜症は心雑音の聴診で容易に診断がつき、心エコーでその病態や進行程度が正確に把握でき手術の適応時期を判定することができます。そのためにも循環器専門の先生への診察をお勧めします。
Q. 閉塞性動脈硬化症とは、どんな病気なのですか?
閉塞性動脈硬化症とは、足の動脈に慢性閉塞をきたす疾患の中で、最も多くみられるものです。
高血圧・高脂血症・糖尿病・喫煙などによる動脈硬化が原因で、下肢の血流が悪くなり、冷感やしびれから発症し、病状の進行に伴って間歇性跛行(一定距離を歩くと足が痛くて歩けなくなり、休むとまた歩けるようになること)・安静時疼痛・足趾の潰瘍および壊死をきたすようになります。潰瘍や壊死に至る前段階での発見・治療が、大変重要になってきます。最近は、食生活の欧米化により、40歳代からの発症も珍しくなくなっています。閉塞性動脈硬化症は、下肢の局所的な動脈硬化ではなく、全身の血管に動脈硬化が進行している可能性が高く、脳卒中・心筋梗塞の合併率も高くなるので注意が必要です。

山内院長のワンポイントアドバイス 下肢の動脈硬化の程度を診断する、簡単で苦痛のない方法には、直接動脈の拍動の触知の程度をみるか、足関節・上腕血圧比や下肢脈波伝播速度の測定などがあります。気になる方は、専門医に相談してみて下さい。
Q. 透析用内シャント手術について教えて下さい。
近年本邦では、高齢化に加えて糖尿病や高脂血症、動脈硬化性疾患の増加を背景とした腎不全患者さんが急増し、透析患者は年間1万人づつ増加し、22万人に達するとされています。透析医療の問題点の一つは、透析用内シャントの方法と、合併症への対処の仕方にあります。もともと糖尿病や動脈硬化により、内膜の肥厚や石灰化病変を伴う細い動脈と静脈の吻合や、自己の静脈が使えない場合に人工血管の移植が必要となる事も多く、血管外科医の専門的な知識と技術が要求されます。また、術後の合併症(血栓・後出血・感染・手の虚血・知覚障害・血管の狭窄・吻合部仮性瘤・静脈に沿った真性瘤・手の静脈・高血圧など)に対する適切な処置ができる準備が、常に出来ている事が大事です。

山内院長のワンポイントアドバイス
150の内シャント手術のうち、現在まで50例以上に人工血管を使用せざるを得ませんでした。透析に必要な流量が確保でき、初めて成功と言えます。
Q. 動脈硬化の最大の危険因子=高脂血症とはどのような病気でしょうか?
癌のように自覚症状がないままに、深く全身の臓器がむしばまれていくという点では、動脈硬化は血管の癌のようなものです。全身の動脈に起こるわけですから、心臓の血管が動脈硬化になると狭心症や心筋梗塞、脳では脳梗塞や脳出血・くも膜下出血、胸部・腹部の大動脈では大動脈瘤や血管壁が裂けていく解離性大動脈瘤、目では眼底出血、腎臓では腎硬化症、下肢では閉塞性動脈硬化症による壊疽など、種々の重篤な病態が出現してきます。これら動脈硬化の危険因子である高脂血症・高血圧・糖尿病・喫煙・肥満の中でも、コレステロールや中性脂肪の高い高脂血症は、最大の危険因子とされています。高脂血症は、痛くもかゆくもない沈黙の病態です。コレステロールや中性脂肪のささやきに日頃から耳を傾けておくことが大切です。

山内先生のワンポイントアドバイス
動脈硬化が進行しやすい検査値は、総コレステロール220以上・中性脂肪150以上・HDL(善玉)コレステロール40未満・LDL(悪玉)コレステロール140以上とされ、下肢脈波伝播速度や頚動脈エコーによる内膜中膜厚の測定でも、ある程度診断できます。
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